スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

エコノミック・ヒットマンになるためには、欲求不満が、そして野心が必要です

1981年、ジミー・カーターからロナルド・レーガンに大統領が替わった(副大統領はブッシュ・パパ)とたん、中南米の二つの国で、アメリカの世界戦略から脱して独自の国づくりをしようと果敢に挑戦していた2人の大統領が事故死した。ひとりはヘリコプターの、もうひとりは小型飛行機の爆発で、「炎の中で命を落とした」のだ。

 エクアドル大統領ロルドスとパナマ大統領トリホスだ。
 トリホスは「ロルドスを賞賛して『兄弟』と呼び」、「アメリカにパナマの運河を放棄させて正当な持ち主の手に戻し」、「政治的信条の違いを問わずに難民を受け入れ、社会正義の代弁者としてカリスマ的な地位にあった人物だ」。

 ロルドスが国とアメリカの石油会社との関係をがらっと変えるような法案を通そうとしていた。

「石油会社は予想通りの反応を示した。あらゆる手段を駆使して対抗したのだ。広報関係者はロルドスを中傷し、雇われたロビイストは脅しと賄賂がつまったブリーフケースを携えて、キトとワシントンをくまなく歩いた。彼等は、現代のエクアドルで民主的に選出された最初の大統領を、カストロの再来のように色づけようとしたのだ。しかしロルドスは何ものにも屈しなかった」。

 石油会社と共謀している福音派の伝導団SILを追放したその数日後、ロルドスは命を落とした。

 5月にロルドスが死に、7月にはトリホスが犠牲になった。
 これについて、「私の現状認識は甘すぎた」と『エコノミック・ヒットマン』の著者は言う。
「ロルドスの死が事故でないのは、私には疑いようがなかった」。

 トリホスの死についても、「爆弾が仕掛けられていました。間違いなく爆弾があったんです」という証言があった。
 ラテン・アメリカでは、メディアも世間も、CIAの仕業だと信じて疑わなかった。 

 かねてより自分の仕事に疑問を抱いていた著者ジョン・パーキンスは、その前年の80年に辞職していた。10年の在職期間だった。

 アメリカの国益というより、会社の利益のためには何でもするコーポレートクラシーは、アメリカの政治家と密接に繋がっていて、一部は重なっていた。

 なおパナマのトリホス大統領については、日本も少々関係があるようだ。

 トリホス大統領は、新パナマ運河の建設工事にベクテル社をさしおいて日本企業に設計計画案を求めたそうだ。
 このとき当の日本企業は運河がアメリカの戦略上重要な意味を持っていることを理解し、結局工事に関わることはなかった、と関係者から聞いたことがある。それ以上は、私、とむ丸も知らない。

 エコノミック・ヒットマンEHMはパーキンスひとりではないし、彼自身何人もEHMを育てている。

「国際的な大企業はどこでも――靴やスポーツ用品を売っている会社から重機機を製造している会社に至まで――独自にEHMのような存在を抱えている」そうだ。

「ニューヨークやシカゴやサンフランシスコやロンドンや東京に本拠地を置く企業から送り出され、あらゆる大陸のそこかしこに入り込んで、腐敗した政治家が自国に借金の足かせをかけたり、貧困に苦しむ人びとを搾取工場や流れ作業の組み立てラインに身売りしたりするようにうながす」のだという。


 なるほど、日本企業もやってるのだ。

 EHMは計量経済学やその他の知識を使って途上国の将来の青写真を描く。本人が出来なければ、優秀な? 研究者や研究者の卵を雇えばいい。彼等は理論、つまり仮説に合わせて、適当に数字を練り上げてくれる。

 これだけの投資をしてこうしてインフラ整備をしたら、あなたの国はこれだけ経済成長をしますよ、と過大な数値を並べる。コーポレートクラシーの望み通りの資料を作成する。実際にはありえない数字をはじき出して、途上国の政治家に夢を見させて説得する。
 脅しと賄賂で、たいていは成功するようだ。権力者は買収されやすい。

 ニューイングランドの厳格で道徳を重んじる家庭で生まれたパーキンスは、14歳の時父が教師を勤める寄宿学校に入学するが、級友はみな大邸宅やペントハウスに住むおぼっちゃんばかり。孤独を託つパーキンスは、「欲求不満の塊だった」と自ら言う。

 徴兵されてベトナムに行くのを嫌ったパーキンスは、「アメリカでその実態がもっとも謎に満ちた――そして最大規模の――スパイ組織」である国家安全保障局NSAの面接試験を受けるが、この欲求不満の存在そのものが、主要な合格要因だったらしい。

 えさで操れる人間、外国人とうまくつきあう能力、野心等々がEHMになるためには有利に働くようだ。

 よく言われる竹中平蔵のアメリカ・エイジェンシー説を思い出し、なるほどなあ、と頷く。
 経済大国として富を貯えた日本にアメリカのコーポレートクラシーが食指を伸ばすのは当たり前か。

 つい先週も、ラジオで「世界第2位の経済大国」と日本を形容していた。
 でもその枕詞は現在でも有効なのか? どうも違うのではないか、と思うのだが。

 13日の時事通信では、民間の調査会社が行った日本の未来についてのアンケートで、

「暗い」と回答したのが47%
「どちらともいえない、分からない」が43%で、
「明るい」と答えたのはわずか9%、

 という結果が出たらしい。この普通の若者の感覚の方が、私たちの国が「世界第2位の経済大国」と表現したメディアより現状にあっているのでは、と思う。

 なにしろ、内閣府が昨年末に発表した「国民経済計算」によると、93年に世界第2位だった一人あたり国内総生産GDPが、06年にはカナダ、フランス、ドイツにも抜かれ世界18位に低下したというのだから。

 それでもかつての経済大国の遺産に加え、社会保障が十全でない老後のために一人ひとりがせっせと貯えたゆうちょやかんぽが残ってる。それを喰おうというのが民営化の話しなのだろうが、さらに骨の髄までしゃぶられ、○○の穴の毛までむしりとられるのかもしれない。

 コーポレートクラシーはいよいよ富み、EHMは高級住宅に住み、高級レストランで食事をし、高級ブランドで身を飾り、休暇はカリブ海やその他の海でヨット三昧……(経験がないのでそれくらいしか思いつかないけれど)。

 パーキンスの時代よりも今の方が、EHMを育てるのも、EHMの活動も、ずっと巧みになっていそうだ。今では「エコノミック・ヒットマン」などという言葉は使われないらしいが、竹中氏がEHMとしてリクルートされたとしても、不思議ではなさそう。

 まあ、リクルートされたかどうか、真相は闇の中だが、結果としてEHMと同等の働きをしているのは確かじゃないか、と思う。

 郵政民営化をすればどれだけバラ色の将来が待っているか、青写真を提示し、
 “抵抗勢力”にめげずに万難排して民営化スケジュールを実行に移す。
 そのためにはあらゆる手段をとる。
 現に今だって、チーム竹中はいろいろやってるじゃないか。

         人気blogランキングへ 
スポンサーサイト

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

フリーエリア

なかのひと
twitter
    follow me on Twitter
    カレンダー

    tokura_203-52.gif

    最近の記事
    カレンダー
    12 | 2008/01 | 02
    - - 1 2 3 4 5
    6 7 8 9 10 11 12
    13 14 15 16 17 18 19
    20 21 22 23 24 25 26
    27 28 29 30 31 - -
    最近のトラックバック

    smilelink_203-52.gif

    月別アーカイブ
    カテゴリー

    ブロとも申請フォーム

    この人とブロともになる

    プロフィール

    とむ丸

    Author:とむ丸

    ブログ内検索
    RSSフィード
    リンク
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。