実績が少ないということで福祉を切り捨てていく下関市
朝、新聞を開いて思わず息をのんだニュース。
身体、知的障害者の相談を障害者自身や家族らが受け付ける「障害者相談員」制度を山口県下関市が4月から廃止したことが1日分かった。法律に基づいて約 40年前から全国に普及した制度で、同県内や隣の福岡県内では廃止例はほかにない。突然の通告に障害者団体は反発し、市議会に復活を求める陳情書を出し た。
市によると、07年度の相談員は42人。障害の種類別に、障害者本人や保護者、福祉施設職員などに委嘱していた。相談員は、福祉サービスや年金手続きを始め、生活全般にわたる悩みを聞いて助言。事務経費として年間2万4500円が支払われていた。
市に提出された06年度の報告書によると、相談件数は計463件。1人で56件をこなした人もいたが、7人が0件、3人が1件、4人が2件だった。市は実績が少ないとして廃止を決め、3月末に障害者団体に文書で通知した。
市は「1人あたりの相談件数は月1件未満で効果が薄い」と説明する。一方、市身体障害者団体連合会は「障害者同士で相談できる貴重な制度。実情を調べてほしかった」と困惑する。
視覚障害者として相談員を務めていた同連合会の舛尾政美副会長は「視覚障害のある相談員には文書を作るのは大変。実際には報告されていな い相談も多い」と話す。内臓疾患や人工肛門(こうもん)・膀胱(ぼうこう)利用者の場合など「当事者同士でなくては話しにくいことも多い」と必要性を指摘 する。
これに対し、下関市障害者支援課は「民間施設などの相談窓口を増やしている。より効果のある支援に変えていきたい」としている。
「障害者相談員」制度は身体、知的の各障害者福祉法に基づく。山口市では07年度、相談員30人の相談件数は355件。1人あたりの件数は下関市と大差はないが、「報告されていない相談もある。今のところ制度廃止が議論になったことはない」と話す。
実績が少ないから廃止とは、利用者が少ないから廃止、ということですよね。つまり、少数のものを相手にするのは税金の無駄、という判断なのでしょう。
民間施設などの相談窓口を増やしている、とはいっても、そもそも民間の儲けを追求する事業には馴染まないから公共事業になっているのでしょう?
より効果のある支援に変えていきたいというのは単なる口実にすぎない、と考えるのは、これまでの江島市政の実績を思い起こせば当然のこと。
相談員自身は無休のボランティアですが、年間で支払われる事務経費2万4500円は42人分で102万9000円。これをケチったのかな? とも思いましたが、おそらくそれだけではないのでしょう。
福祉は申請主義なので、地域にどういうサービスがあって、どのように利用すればよいのか、本人が知らなければ、たとえ充実したサービスが制度化されていても、絵に描いた餅です。
はたしてどんなサービスがあるのかというと、
医療、手帳、手当・年金、補装具・日常生活用具、税の減免、公共料金等の割引、介護・派遣、ショートステイ、貸付制度、施設、社会参加・日常生活、療育など、さまざまなサービスが制度化されています。
全体を把握して障害者に的確な助言をしてくれる人がいなくなれば、この多岐にわたるサービスを利用するには、かなりのエネルギーが要りそうです。制度をくまなく知って、誰がどのサービスを使えるか知るのは、ひとりでは事実上不可能かもしれません。
余程の熱意と根気で調べ尽くさないと利用も満足に出来ないとしたら、利用を諦めたり、利用できることすら知らずに一生を終える人が出てきても不思議はありません。
そんなことを下関市は目論んでいるのでしょうか
さらにはサービスを利用する者が少ない、ということでそのサービスを廃止するという結果まで予想しているのだろうか、とまで考えてしまいましたが。
で、こちらによると、相談員は身体障害者福祉法および知的障害者福祉法で定義されているが、障害者自立支援法(平成17年10月31日成立)の施行により、その位置づけの見直しが予定されているとのこと。
障害者の自立を阻害するものとして悪評紛々の障害者自立支援法の施行から見直しが考えられているとは、見直されてより良いものになるとはとても思えません。
その意味で、下関は全国に先駆けて制度改悪を手がけているのかもしれません。
人気blogランキングへ



