宇宙基本法←宇宙軍事利用法 成立

宇宙基本法が、今日午前11時過ぎに参院本会議で成立しましたね。

 「平和目的に限る」との1969年の国会決議に基づき、日本が取ってきた宇宙利用の「非軍事原則」を転換。世界の大勢に従って「非侵略ならば平和利用」との解釈を取り、専守防衛の範囲内で軍事的利用を認めた。
 
 ……

 だが専守防衛として容認し得る範囲は、国際情勢や科学技術水準に応じて政府が判断することになり、歯止めが不十分だとの懸念が出ている。国会での実質的審議はわずか4時間だった。
                                                                                                       

 これにより、
ミサイル防衛(MD)で弾道ミサイルの発射を検知する早期警戒衛星が導入できることになるのだそうです。

 昨日の内閣委員会の審議で、このニュースに言われているような問題が指摘されていました。
 民主党から藤谷光信、谷岡郁子、自民党から佐藤正久、公明党から風間昶、無所属の糸数恵子さん等が質問に立っていますが、まずは藤谷議員の質疑を、ちょっと長いけれど参考のために記しておきます。

 藤谷光信議員質問の後半部分にご注目下さい。
 
 1969年の衆議院において、すでに
宇宙の開発及び利用を平和利用の目的と する限りで行う、と決議していて、これまでの私たちの国の宇宙開発利用はその決議に沿って行われてきたわけです。
 ですからいろいろ文言が掲げてあっても、今回の法案成立は
平和利用ではなく軍事利用をするための法整備の始まりで、そのことだけがこの法案提出の目的だったのだと思います

 法案提出者の中には今回の答弁に立った野田佳彦細野豪志といった私も危ぶなっかしく思っていた民主党若手の戦争好きが名を連ねています。

 なお、答弁中にありますが、この法案は超党派国会議員によって提出されたものだったようです。超党派といっても、自民、公明、民主の3党で、法案に反対した社民・共産は加わっていないと思いますが。


 委員会を始めるにあたっての中野衆院内各委員庁の主旨・目的の説明。

 人工衛星を利用した位置情報サービス、災害監視、資源探査党が実用化され、宇宙用に開発された技術・素材等がさまざまな分野に活用された宇宙開発技術は我々の身近な生活においても重要な役割を果たすようになってきている。

 わが国の宇宙開発はこれまでも宇宙科学の研究などに限定、特化して進められてきたが、政府として一体となった戦略が行われてきたとはいえない状況にある。

 本法案はこのような宇宙開発事業の重大性が増大していくことに鑑みて、わが国において宇宙開発事業の果たす役割を拡大するため、宇宙開発利用を国家戦略として位置づけ、司令塔となる宇宙開発戦略本部を内閣に設置をし、日本国憲法の平和主義の理念に則り宇宙開発利用に関する施策を総合的かつ計画的に推進し国民生活の向上及び人類の??(聞き取れませんでした)の向上に寄与するものとする。

 本法案はわが国における宇宙開発利用に関する基本法となるものでありまして、具体的にはまず

第1:宇宙開発利用に関する基本理念を定めること

第2:宇宙開発利用に関する国の責務明らかにすること

第3:宇宙基本計画を作成すること

第4:宇宙開発事業による施策を総合的かつ計画的に推進するため、宇宙開発利用の司令塔となる宇宙開発戦略本部を設置すること

第5:宇宙活動に関する法を整備すること

 等について定めているものである。


藤谷:宇宙基本法を全体的に見ると、自分の理解としては、従来宇宙開発に関して主として文部科学省所管であったことに対して内閣に宇宙開発戦略本部を置いて首相を本部長としてさらに担当大臣を措いて、さらに宇宙開発に対して集中管理体制を敷くこと、

 従来文科省が所管で学者が主体となって研究開発を進めると同時に衛星等を打ち上げていたのが、政府系衛星の長期打ち上げ計画を立てて民間企業での発注を増やして宇宙産業を活発化させると云うことも大きな柱ではないか。

 それから自衛隊が一定条件下で宇宙開発利用を活用できるようにすることに大きく絞られるような気がしている。

 わが国は平和憲法を保有し勝つ1969年の衆議院において、わが国に措ける宇宙開発及び利用に関する決議の中で。宇宙の開発及び利用を平和利用の目的とする限りで行うこととして、平和目的の決議の解釈は、決議の提案者の発言、および当時の科学技術庁長官の答弁により非軍事とされております。

 国民生活の安全安心のため、一定の防衛力を保有することは必要不可欠であるが、国民の安全安心の確保に資する防衛力とは相対的な相手があってのことなので、想定される軍事脅威との関係もその軍事力を構成する技術進歩との関係で決定されるべきものである。

 1969年当時とはわが国の防衛力を決定する技術力も国際関係も大きく変化していることは多くの国民の理解するところ。とりわけ防衛のために人工衛星を活用した情報収集能力の確保・向上は必要。

 本法案と1969年の衆議院決議との整合性をどのように整理しているのか?


内閣委員長代理野田佳彦衆議院議員:

 平和利用決議は非軍事とされてきた。本法案では宇宙開発利用をわが国の安全保障に資するように行うと位置づけており、憲法の平和主義の理念に則り、専守防衛の範囲内で防衛目的での利用は行えるというのが、本法案提出者の主旨。

 平和利用決議が採択された当時に比べ、宇宙開発利用の状況は大きく変わり、GPSなどにより、我々の日常生活の中でも宇宙開発の利用は活用は行われている。

 このように宇宙開発利用が進展する中においても軍事的利用は一切認めないとするのが決議の主旨とは考えにくく、これまでも一般鍵jふつの利用やわが国の国民の生命、財産を守るための純粋に防御的な、他の代替手段のない唯一の手段であるBMDの取り組みの主旨、およびそのよって立つ平和国家としての基本理念に沿ったものとして認められてきた。

 憲法の平和主義にのっとり、専守防衛の範囲内でわが国の防衛のために宇宙開発利用を行うことは1969年の決議の文言、及びその趣旨に反するものではなく、本法案により、平和利用決議を否定したり、これを無効にするものではない。


藤谷:
憲法の平和主義にのっとり、専守防衛の範囲内でわが国の防衛のために宇宙開発利用を行うことは1969年の決議の文言、及びその趣旨に反するものではなく、本法案により、平和利用決議を否定したり、これを無効にするものではない、という答弁だったので、本法案により、平和利用決議を否定したり、これを無効にするものではないと、確認させていただく。

 次に、基本法に引き続く関連法案の制定に関して剃れzれの省庁が、省益を優先させたり、いわゆる骨抜きになるのではないかと危惧している。関連法案の策定、取り決めに関する基本的な考え方をお聞かせ願いたい。


野田:指摘されたところは、宇宙基本法を策定するにあたって本質的なところ、肝のところ。
 これまでわが国の宇宙開発というものは、内閣官房とか文科省、総務省、国交省、経産省それぞれの章によってバラバラに推進されてきた嫌いがある。

 それを諸外国と同じように、きちんと国家として戦略的・総合的に・計画的に・一体的に推進をしていこうとするのが本法案の一番の主旨。

 この基本法が成立した暁に、それに次ぐ関連法で、またバラバラな事態が生じれば、まったく意味がなくなってしまうので気をつけなければ行けない。

 もともとこの法案では、宇宙開発利用を国家戦略と位置づけて、宇宙開発利用の司令塔となる宇宙開発戦略本部を内閣に設置して日本国憲法の平和主義の理念に則って、宇宙開発利用に関する政策を総合的勝つ計画的に推進していくのが一番大事な願意というか本意。

 それをふまえて、きちんとした司令塔をスタートさせていくと同時に当面本部を内閣に設置すると同時にその事務の処理は内閣官房が行うが、附則に書いてあるとおり、1年をメドにして内閣の方に移行することにしており、その中で必要な関連法整備を行っていくというのが法文に書いてあるが、委員のご懸念が生じないように、今後も本法案の目的に沿った行政組織の見直しが行われるように、立法として適切に監視していきたいと考えており、加えて、超党派で議員立法として提出させていただいて、その法案が通った暁には当然ながらフォローアップも必要なので、そういった議連を立ち上げて監視していくような措置も併せて講じていきたい。


藤谷:基本法だからすべてを網羅するわけにはいかないわけだが、今、答弁にあったようにいろんなことが基本法策定までにいろいろ研究されたんだな、ということを理解する。

 この防衛というと、主としてハードパワーである抑止力としての軍備の問題に議論が片寄りがちであるが、戦争が起きる原因や要因になる芽を早めに摘み取るソフトパワーを発揮させることが、戦争を回避する有力な手段である。

 戦争の大きな要因に貧困と飢餓があり、天災により引きおこされることもしばしばある。
 我々の先輩の国会議員の先生が、国会議員の仕事は戦争をいかに起こさないか、というこの一点に尽きる、と言った先生がいるが至言だと思っている。

 人工衛星による意九巻強情報を軍事機密の許容範囲内でわが国が諸外国に提供することも有力な外交手段ともなる。
 現在わが国はアジアの災害ネットワークであるADR?(Asia Disaster ……?)等を推推進していると聞いているが、わが国宇宙開発をソフトパワーとして活用する典型的な例になると私は高く評価している。

 さらにわが国のエネルギー探査や食糧増産への活用も安全保障であると認識されている。

 この法案第3条にあるわが国の安全保障とは、防衛力のみならず、これらソフトパワーを含めた安全保障とすべきと認識されるがその見解は?


内閣委員長代理細野豪志衆議院議員:

 わが国では専守防衛の範囲内でわが国の安全保障に資するという宇宙の利用開発が認められているが剃れに限定されるものではないということ。具体的な帆運として説明すると、国民生活の向上、安全安心し暮らせる社会の形成、災害・貧困その他の人間の生存及び生活等のさまざまな脅威除去にも資する、そういう宇宙開発利用を今後も推進していくということ。

 宇宙のハイは釣りように関しては現在、作付けをかなり宇宙から探査できるというようなそういった食料品の様々な問題さらにはさまざまな資源探査等、さまざまな利用・活用ができる時代になった。

 わが国の安全舗装のためにも利用できるが、これを幅広く世界にそうした技術を活用していく、という意味において、ご指摘の通り、日本のソフトパワーにもしするわけであるし、わが国の総合安全保障の観点からの活用が可能になってきている、と考えている。


藤谷:総合安全保障の観点から、その点を絞っていかねばならないのではないかとも思ったりしている。

 防衛力や攻撃力は国の意図で決まるものなので、それを組織面・制度面でシビリアン・コントロールする強力な担保が必要。

 自衛隊の宇宙利用は防衛のみに厳しく限定する担保としての基本法が制定されたと理解しているが、基本法第29条で内閣に宇宙戦略本部を設置し首相が本部長に就き担当大臣を置くということは、宇宙開発戦略の一元化による宇宙利用について従前以上の推進が可能になると同時に周辺諸国に安心感を与えるものになっていると思うが、これだけでは少し不十分ではないか。

 岩国出身の自分は鑑搭載機問題で防衛省とも話し合ったが、行き違い等があった経験がある。
 具体的事例は省くが、当時の防衛事務次官の性格からこういうものになったのだと云われているが、防衛省には自らの意図の実現のためには、極端に云ったら詭弁を弄しても、という組織体質があったと思われるような節がある。

 その意味で、今回の基本法では、平和憲法の下で防衛のために宇宙開発利用を行うとした、しっかりした透明性を確保する制度的な歯止めが必要である。

 1つには、宇宙担当大臣の任命に関しては、わが国の防衛のために宇宙開発利用を行うことについて、平和憲法の理念に基づき専守防衛の範囲でのという歯止めに加えて、宇宙担当大臣として防衛大臣が兼務することを禁じるさらなるシビリアン・コントロールの徹底が必要ではないか。

第2に、予算管理において、民生用費用と防衛用目的の費用を明確に区分することが必要ではないか。

 諸外国の防衛費に不透明さがあればこれを問題視することは当然だが、わが国の防衛についても従来以上に透明性を徹底していく必要がある。

 宇宙開発費用について防衛関連予算を明確化し、シビリアン・コントロールの最上位にある国会で、宇宙利用を自衛隊に認めるが、その実行段階で予算審議を通じ、予算の面から審議管理する必要がある。

第3、情報公開の問題。

 防衛関係予算について、防衛機密扱いにすることもあることは認めている。それ以外の民生関連においては情報公開の原則を徹底すべき

 民生用の宇宙技術に防衛機密をカバーさせることを一部の人たちが議論しているとも聞こえているが、これを容認すれば、民生部門を防衛部門がコントロールしてしまうことが可能になる。

 民生用予算の中に防衛関連予算を入り込ませることが可能な仕組みになってしまう。

 こうした懸念を完全にぐっしょくさせる為には、民生用宇宙技術情報については防衛機密扱いにはできないことを明確にして、民生用の宇宙に関する情報は公開を原則とする旨を明確にしておく必要がある。

 先般、米国、ノースカロライナ、NNPの訓練基地が住民の反対で取りやめになった記事があったが、米国には情報公開というのが非常に大きな力を持っていて、透明性がある。大事なことだ。

 自衛隊に宇宙利用を認めるにあたり、専守防衛を堅持するしっかりした担保を組むことが、国民及び近隣関係諸国に対して、わが国は従来通り、平和憲法を守り、専守防衛に徹するという強いメッセージになる。


細野:宇宙開発担当大臣については、内閣総理大臣の命を受けて宇宙開発利用に関し内閣総理大臣を助けると云うことをその職務とする国務大臣とされていて、総理大臣が任命する。

 総理大臣がさまざまなこれまでの宇宙政策の弊害をしっかりと考えて一元化をできる大臣を任命するが、藤谷議員からのご指摘・懸念を考えると、提出者としては防衛大臣を宇宙開発担当大臣に任命することに関しては適切ではないと考えている。

 宇宙開発利用の透明性については、本法案では、宇宙開発利用はわが国の安全保障に資するように行うと位置づけていて、憲法の平和主義の理念に則り、専守防衛の範囲内で防衛目的での宇宙開発利用を行えるというのが提案の主旨。

 防衛目的での宇宙開発利用として何か可能か、ということに関しては、科学技術の推進であるとか、国際情勢にてらしてその都度適切には判断されるものと考えている。

 また本法案では内閣総理大臣を本部長とする宇宙開発戦略本部を設置することになっており、宇宙開発利用に関する施策の総合的かつ計画的な水深を測るために宇宙基本計画を作成することになっている。

 又この宇宙基本計画については、作成した段階で、遅滞なくインターネット等を通じて公開が義務づけられている。

 この宇宙開発利用の推進に関する基本的な方針、宇宙開発利用に関し、政府が総合的かつ計画的に実施すべき施策等が定められることになっており、今回新たに安全保障と云うことで、今回新たに防衛目的での宇宙開発利用が含まれるわけだが、剃れも、この基本計画の中に定められることになっている。

 これまでともすればバラバラに予算計上されてきたものが、この宇宙計画の下に、総合的に情報公開されると云うことなので、むしろその面からは透明性が高まると考えている。

 また当然この宇宙開発基本計画にもとづいて予算が策定されることになるので、透明性の高い宇宙開発基本計画の下で、予算がしっかり提示され、それがこっかいというまさに国民公開の場所で徹底した往訪公開の下で議論されることを提案者としては望む。

 防衛関係の予算についての公開については、本法案の第23条では、宇宙開発利用に関する情報の適切な管理のため、必要な措置を講ずる旨を規定しているが、これは宇宙開発利用に関する情報を一切公開しない趣旨ではない。

 公開すべきものについては当然公開することを前提としている。

 軍事転用が可能な技術があるし、高い付加価値を有する技術などもあるので、情報公開を制限する必要があるというのは理解してもらえると思う。

 宇宙に関する知識の集積は人類にとって、極めて重要である。さらには研究開発の成果の活用を図るために重要であると考えれば、特に理学等の分野について可能なものについては広く公開していくことは必要であると考えている。衆議院でもこの情報公開については議論してきた。参議院の方でも、今回、付帯決議の中でこの情報公開について、特段の決議をいただくと承知しているので、その決議を十分ふまえて今後運用されるよう、我々としてもしっかりチェックしたい。


藤谷:これまでの宇宙開発についてはその成果を広く国民に理解してもらう必要がある。
 わが国は国際宇宙ステーションの共同開発国であるし、米国、ロシア、ヨーロッパ、カナダ、日本のメンバーの一人で、国民の税金を使ってはいるが、周回遅れですたーとしたことを思うと、これまで宇宙開発に携わってきた人たちの並々ならぬご努力に対して敬意を表すると同時に、基礎研究を含めた宇宙開発予算について今後ともきちんと確保されるべきものと思っている。

 これまでの宇宙開発の実行部隊であるJACSA(宇宙開発財団)について基本法制定に伴いその位置づけ・改変を含めて、どのような方針、取り決め、取りすすめを予定しているのか?


(今日はここまで)


     
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