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教育再生会議 「子守歌のすすめ」のおかしさ

  前エントリーでも話しました、前「つくる会副会長」高橋史郎氏が教育再生委員会で強調したふるさとの「子守歌」について、気になることがありましたので、知り合いの作曲家に尋ねてみました。

 日本の伝統的な子守歌というのは悲しそうな歌ばかりですが、楽しい歌はありませんか? 

 すかさず、 ないねえ、という返事。

 五木の子守歌も、「おどまいやいや 泣く子の守にゃ 泣くと言われて憎まれる」と子守の辛さを歌った歌詞と共に、哀切なメロディーが胸を突きます。
 まだ幼いうちに奉公に出た貧しい農家の娘が、主人の家の赤ん坊をおんぶして寝付かせるるときに口ずさんだ歌。楽しいはずありません。

 日本の歌について少し教えてもらいました。

 その結果分かったこと。

 子守歌に限らず日本の歌は短調が基調である → 哀調を帯びる。
 日本の音楽は2拍子である。

 2拍子は、鍬を入れて土を起こす農耕民の生活から生まれた。
 また、おんぶをする子守からも2拍子の歌が生まれた。
 これに反してヨーロッパでは、ゆりかごに揺られたことから3拍子の子守歌が生まれた。

 ただ、日本でも五木の子守歌だけは3拍子である。
 これは朝鮮の流れが入ってきていると思われる。たとえば、加藤清正あたりが朝鮮から陶工を大勢連れてきたような歴史がある。

 その他、日本の音階は5音階で半音がない(半音は、演歌でいえばこぶしで処理される)が、これはピアノの黒鍵だけの音階を考えたらよく分かる。
 
 日本の歌は詩を重視して、音の変化があまりない、等々。

 どうも日本人は、音の変化が少ない悲しげな短調のメロディにのせた言葉によって気持を表わし、それがまた人の心をとらえたようです。
 
 まだ年端もいかない女の子が赤ん坊を負ぶいながら歌った歌は、母親が抱いて我が子を寝かしつけるような、愛情溢れる歌ではありません。

 ついでにいうならば、ゆりかごに揺られた赤子をあやしながら母が子守歌を歌うというヨーロッパの情景がどこまでほんとうか、少々私は疑問を持っています。
 とても美しい姿ですが、美しすぎてファンタジーぽいのです。

 なにしろ、近代以前のヨーロッパでは子どもは小さな大人として遇されて、赤ん坊はスワドリングという包帯状の布ででぐるぐる巻きにされ、ときには壁に引っかけられたりしていたらしいのですから。

 そんな中で子どもを愛情深く育てる、という心の在り方は近代の発明である、つまり近代という時代の流れの中で「子どもという存在が発見された」のだといわれています。

 スワドリングから解放された子どもたちがゆりかごに寝かされ、母の口ずさむ歌で眠りに誘われたという図式が成りたつのは、ごく限られた階層だったのかもしれません。

 庶民は生活で手一杯だったでしょうし、上流階級の人たちは乳母を雇っていたかもしれません。王侯貴族の赤ちゃんであれば、モーツアルトやシューベルトの子守歌を室内楽が奏でて眠りについた、なんてことがあったのでしょうか? 

 確かモンテーニュは、里子からシャトーに戻ると細心の注意を払って育てられ、目を覚まさせるためには特別の楽士がついていましたが。
 今の時代はさしずめ目覚めのCDでしょうか。 

 ともあれ、ゆりかごと子守歌のあまりに美しい絵に幻惑されて母性ユートピアを夢みるのは勝手ですが、それを人に押しつけないでください。
 母性ユートピアも、人に押しつけると母性イデオロギーになります。 

子守歌を聞かせ、母乳で育児」という提言は、育児を知らない人の発想かもしれません。
 想像の産物である可能性が高いし、親自身の葛藤、周囲との軋轢を無視しています。

 教育再生会議の委員の中には育児を経験された方もいたでしょう。でもよくある話ですが、もしかしら、したくてもできなかったことを、いわばご自身の夢を、提言に反映させたのかもしれませんね。きっとそうでしょう。
 
 天使のような赤ちゃんは、早晩、天使も悪魔も凌駕した生き生きした姿で私たちの周りを飛び跳ねるようになります。
 いっときの子守歌の夢を見たい方はどうぞ、ご勝手に。

 おそらく、教育再生会議の11の提言よりも、「大人はみんな、初めは子どもだった」という『星の王子さま』の方が、ずっと育児に大きな示唆を与えてくれます。
 子どもの心を理解しようと思えば、忘れていた自分の子ども時代を思い出せばいい。 どんな風に胸をときめかせたか、どんなときに震える心を抱いて恐れおののいたか、何をしたかったか、何をしてもらいたかったか。

 そういえば、近頃は子どもを負ぶう姿はとんと見かけなくなりました。私自身も最初の子どもはもっぱら抱っこでした。2番目が生まれてやむなく外出時だけ負ぶいましたが、下手だとよく笑われたものです。
 おんぶをする自分の姿がなかなか思い描けませんでした、というのは格好をつけた言い草でして、まあ、早くいえば、自分の美意識に合わなかった、格好が悪かった、ということです。30年以上も前の話しですが。

 車で外出することが多い昨今のお母さんは、負ぶうことがあるでしょうか?
 なさそうですね。
 だとしたらおんぶから生まれた2拍子の子守歌は、そんな育児方法には合わないかもしれません。

 そのうえ、あの悲しい歌詞とメロディー。

故郷の子守歌を、6ヵ月検診などの機会で集まる際に歌う」というのは、あくまでも趣味の範囲に留めていただきたいですね。

 私はそんな子守歌を聞きながら、かつて遊びたくても遊べず、きれいな着物をきたくても着られずに、小さな背中で赤ん坊をあやさなければならなかった女の子たちに想いを馳せることになるでしょう。


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