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安全地帯に居座る内閣

2003年4月、米軍は抵抗らしい抵抗を受けずにバグダッド攻略に成功し、5月1日にはブッシュ大統領が「戦争に勝った」と演説をしましたが、その後の泥沼化はご存じの通りです。

 あっけないほど簡単に勝利を収めたかに見えた米国は、武装抵抗勢力をサダム・フセインを支持してきた勢力と外国人テロリストだけだ、やつらを叩けばうまくいく、と楽観的な見通しを立て、それが悉く裏切られてきました。

 70年前、中国軍恐るるに足らずと信じ込んで対支一撃論を唱えた旧日本陸軍と同じ。

 もっとも希望的観測からか、予測を誤るからこそ、侵略戦争に踏み切ることができるのでしょうが。

 その後米軍は本拠地をチグリス川西岸の、かつてサダム・フセインが執務した共和国宮殿に置いて、テロ攻撃に備えて厳重な防衛体制を敷くことになったのです。

 つまり、巨大なコンクリート・ブロックを組み合わせた防御壁を幾重にもめぐらし、なんでも8つの検問所を通ってやっと新生イラクの統治の中枢、イラク暫定統治機構CPAに、現在はイラク正式政府にたどり着けるのだといわれています。
 
 壁の内側が「グリーンゾーン」、外側が「レッドゾーン」。
 
 このグリーンゾーンはイラク国内の至る所に見られ、米軍の発注で製造した馬鹿でかいコンクリート・ブロックは15万個にのぼる(パトリック・コバーン著『イラク占領』より)そうです。

 自爆攻撃を恐れる米英の当局者はこのグリーンゾーンの中に閉じこもりますが、それでもブレア英国首相のバクダッド到着直前に迫撃砲が撃ち込まれたように、必ずしも安全とはいえないようです。

 サダム・フセインの圧政からイラク国民を解放してイラクの民主化を進めるのだ、と意気込んで進駐した米軍の司令部はこのグリーンゾーン内で次々に見当違いの作戦を発令し、イラクの人心の離反を招いてきました。

 イラクの人々をつなぐ忠誠心を理解する意思も能力も、米軍指導部やブッシュ大統領にはなかったようです。

 かつて外国による占領を素直に受け容れたドイツや日本のように、イラクも、圧政から解放したわれわれを受け容れる、と米・英両国は錯覚をしたわけです。

『イラク占領』の中で、同国に留まって取材活動を続ける数少ないジャーナリスト、『インディペンデント』紙の特派員パトリック・コバーン氏は次のように断言します。

「ドイツ人も日本人も、第2次世界大戦ではその大半が自国政府を支持していたのである。彼等は必死で戦い、敗北へ突き進むなか、犠牲の山を築いて行った。彼らは、撃ちてし止んだ後、はじめて勝者による社会改造に喜んで同意したのである。

 しかし、2003年のイラク人たちは、まったく違っていた。イラク人はブッシュやブレアが倦むことなくくり返して叫んだように、サダムと一体化していなかった。サダムのために、すすんで戦ったものはいなかった」。

 こうしたアメリカの姿が、私にはアベ氏の姿と二重写しに見えてきます。

 戦前レジームの復活を唱え、前政権が獲得した国会での大量議席というグリーンゾーンに守られて、次から次へと、国民の求める施策を無視した政策で国会を強行突破。

 祖父の名誉回復と、その祖父が栄光の日々を生きた旧体制、戦前レジームの復活という幻しを見るあまり、私たちの求めるものが分からないし、理解できないのです。

 それに政権の防護壁は、与党議員の大量議席だけではありませんね。

 テレビを初めとするメディアとそこに登場する多くのコメンテーター達、
 仲間内で構成される諮問委員会とか有識者会議、
 アベ氏を取り巻く非公式の勉強会や懇親会、
 日本会議や怪しげな新興宗教団体、統一協会、暴○団……

 取り巻きの入れ知恵に左右されやすいのも、これまで本人があまりにも不勉強だったからか、とも考えられますね。

 そんな安全地帯グリーンゾーンにあっても、アベ氏は政治と金をめぐる数々の醜聞・疑惑に襲われ、最近では松岡大臣の死という迫撃砲が撃ち込まれ、決定打が年金問題。

 最近では『週刊ポスト』に暴かれた当時アベ氏の政策秘書だった飯塚洋氏の息子の問題、、つまり父親である飯塚氏自身の隣の部屋では、長男が13歳の少女を監禁暴行していたというとんでもない話しまで出てきました。

 アベ氏周辺で相次いできた数々の死のみならず、官房機密費で評論家たちを籠絡してきたという噂もあれば、アベ氏の意向に反した記事を書けば、どしどし法的措置をとって出版人たちを威嚇もしてきました。

 近いところでは週刊朝日への提訴がありましたが、それ以前にも週刊現代の記事をめぐって講談社に「通告書」、ファクタ出版に対しては「抗議書」を送らせ、選択出版には6つの記事をめぐる「執拗な訴訟」を仕掛けるという、俗に言う「ケツの穴の小さい」人物が、我が国の「最高権力者」のようです。

 こんなアブナイ政権がそもそも誕生したこと自体が現代日本の病理を象徴していますし、後継者指名をした前首相コイズミ氏と総裁に選んだ自民党に責任をとってもらいたい、と思います。

 どなたかが、こんな問題政権でも居座ろうとしたらいくらでも居座ることができるほど、総理大臣の力は強大なのだ、といってました。

 でも、議院内閣制の下で三権の頂点に君臨するような権限を内閣総理大臣に与えてしまったのが、橋本内閣で成立した中央省庁等改革基本法にみられるような行政改革だったことをもう一度確認しておきましょう。

 この時も、東京大学公共政策大学院の先生が「三権分立のドグマ」とかなんとか言って、官に対する政の優位を主張しながら、つまり省庁の縦割り構造を打破するために、内閣に、「究極的には国会で選出された内閣総理大臣」に「強力な調整権」を与えようと唱えて、政権与党の目論見を支えました。

 結果として、さまざまな人が嘆かれているような三権分立の崩れた現状が生まれたのではないでしょうか。

 そして今ふと思ったことが、こうした一カ所に権力が集中している事態は、やはり戦前レジーム復活の試みの一つだったのではないか、ということです。

 自民党一党独裁に貫かれた戦後日本で、用意周到に準備された戦前復帰のプログラムのひとつだったのではないでしょうか。


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