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『靖国』から神の国を考える

冗談でしょっ!

明るい未来は手の届くところに来ている  エクソンモービル

  とは、今朝初めて知ったテレビCMのせりふ。

 実際はこう。

暗い現実が、今ここにある

               

 稲田朋美、有村治子と、ultra-rightなおばさま方の口出しがあったかと思ったら、映画を貫く低奏通音のような響きで登場するらしい刀工の方の話しがあり、そして今度は、主題でありながらこれまで姿を見せなかった主人公靖国神社側の物言いがあったとか。

 靖国神社が11日付でHPに掲載した、李監督と制作会社「龍影」、配給元の「アルゴ・ピクチャーズ」に対し、一部映像の削除を求める通知をしたその理由。

 境内における撮影許可手続が遵守されていないだけでなく、その内容についても事実を誤認 させるような映像等が含まれており……

 

 こうした中で、

映画を見ないまま反対している人もいる。見たうえで是非を論議しよう

    

 と  「一水会」(東京)など五つの民族派団体が中心とな って18日の試写を決めたそうです。                             

 なんだか、  一般人の私にはわけ分からないことばかり。

 8月15日の靖国については、ニュース映像で首相参拝がチラッと流れるくらいしか知りません。
 でも、とにかくYASUKUNIというのは、自身の姿を一般にさらしたくないようだ、ということだけは分かりました。
 事実誤認をおそれているように言ってるけれど。
 8月15日の靖国の喧噪は、見てはいけないものなのですか。

 昔から、○○の秘儀といって宗教儀式につきものの秘密のベールに包まれたものは世界中にありました。エレウシスの秘儀が有名ですが、ポンペイの秘儀の家の壁画 ↓ は、ディオニュソスだったと思います。

      15538.jpg

 天皇家は祭祀王として、さぞかしいろいろな秘儀を受け継いできたことでしょう。
 秘儀とするのは神への畏れかな? でも神秘のベールに包まれることで権威はいよいよ高まるかもしれないなあ、などと勝手に想像。

 考えてみれば、つい60数年前までの80年弱の間、日本は天皇を頂点に戴く祭政一致の国だったのです。
 

 さて、話しは変わって、

 従軍慰安婦や南京事件、沖縄集団自決等々、確かにあったこの国の戦争犯罪を、なぜ、なかったこととして見ないように、見せないようにする人たちがいるのか、分かりませんでした。単に間違ったことをしたと認めたくないだけではないだろうが、と不思議でした。


 で、遅ればせながらやっと最近、神の国が過ちを犯してはいけないんだ、この国を神の国と考えれば、何が何でも誤りを認めることはできない、という論理展開になっているのではないか、と気づいたわけです。
 今頃になってそんなことに気がつくなんて。まあ、いつもそれだけを考えていたわけではないし、そもそも神の国と信じること自体理解しがたいことだったのですから、この国を神の国としてその無謬性を信じることが理解できるわけがありません。

 神の国という認識が今の世に生きていることを知ったのは、2000年5月の森氏の発言を知ったときでした。
 そりゃあ、びっくりしました。

 森氏に限らず神の国を唱導している人たちが日本の指導層にけっこう存在するようなのですが、

 日本は神の国である→神は過ちを犯さない→日本は過ちを犯さない、

 と半ば故意に喧伝しているのではないか、とさえ思えたりします。
 そして、この喧伝に拍手を送る人の中には、日本=神の国という図式に自尊心を刺激されて高揚感を覚える人たちがいるのかもしれません。

 神の国といえば、この言葉に関して高校の倫理社会に載っていたのは『神の国』を著したアウグスティヌスでした。
 神の国という概念とか理念とかをつくり出す感覚は、洋の東西問わずに存在しているのでしょうね。もちろん、アウグスティヌスの神の国と森氏の言った神の国はまったくの別物。何を神の国としてイメージするかは人それぞれでしょう。
 
 で、祭政一致のかつての日本は、まさに神の国とされていたのでしょう? 神が統治する国、神が守る国、というのが神の国である、と一応しておきます。でも、祭の方は別にして政の方は、ことあるときには責任を取らなければならないもの。

 いや、祭の方も責任を取ることがあったかもしれません。伝統社会に受け継がれてきた巫女の役割――たとえばイザイホーで知られる沖縄久高島の神女(ノロ)――は五感六感を研ぎ澄まし命をかけて宣託を授かるのでしょうが、その宣託の結果に不幸があるなどして霊力を失ったと判断されることもあったと考えて不思議ではないと思うのですが、どうでしょう? 霊力を失えば、もやは巫女は神女ではあり得ないわけで、責任を取らざるを得ないのではないか、と思うのです。

 いずれにしても、その昔、古代においては、祭にしろ政にしろ、己の能力を極限まで使って、命を削って世を治めたのだろう、と思います。それが責任だったと。
 その後、祭は形式的なものになるのでしょうが、イザイホーなどはけっこう最近まで機能していたようです。 古代からすっ飛んで、近現代の総力戦体制を考えると、総動員された民が、国を守ろうと命を削った。そして、死して後も神となって国を守る、とされているわけです。

 こうして守られている国が神の国ですか。。。
 祭祀を司るものが己の五感六感を極限まで使って神のお告げを聞く。そうして民を守った。それがどこがどうなって逆転してしまったのかな? 

 等々、神の国について考え始めたら際限がありません。

 分かっているようで分からない。
 いったい神の国ってどんな国なのでしょうか。

 もしかしたら、映画『靖国』には、意図せずとも自ずから、それぞれの参拝者が抱く神の国が描かれているのかもしれませんね。

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