農場経営ゲームで遊ぶ竹中平蔵――悪夢のような竹中ワールド
郵政民営化といえば、これまた質の劣化が激しいサンデープロジェクトで、郵政民営化を進めた竹中さんが出演し、今の政府の無策を批判していました。ごもっ ともと思えることも主張されていましたが、間違いの根本をつくったのは、小泉・竹中ラインであり、グローバル化という名の下に、国内を犠牲にして、輸出産 業を優遇するという発展途上国型の政策を推進したのですから、国内消費が落ちたのは当然です。
小泉、竹中ラインが招いた問題に何の反省もないこと には驚きました。とくにドル安による円高で外需が減少したというのはマスコミと同じレベルの珍説で、経済学者としての見識を疑いたくなります。実は世界的 に見れば円高どころか、円安状態であり、それが交易条件を悪化させている現状をどう考えていらっしゃるのかよくわかりませんが、輸出を左右するのは円の為 替相場というよりは、現状を見れば、輸出産業の経営戦略のありかたやマーケティングの問題であるはずです。
負の遺産を処理し、正の遺産を実現して改革を進めろ、と言ってます。
3.現行選挙制度での一票の格差→地方議席数を減らすほうが日本の農業にとって有利
4.農業従事者の高齢化→農地法を改正しろ。
5.耕作放棄面積の拡大
6.農産物の流通構造
《正の遺産》
1.日本の気候は穏やか→水資源の管理をやれ。
2.高品質商品
3.農産物、畜産物の研究開発伝統→農業ビジネスに資本が大量に注入できる。
4.日本の農業再生に大量の資本が必要→農地から生まれる所得を金融商品に変換してお金は調達しろ。農地の不動産信託、長期借地権も進めろ。
5.需要上昇が大きく見込まれるアジアに日本は存在している→コスト構造を直せ。
と、いろいろ提案しているのですが、負の遺産を処理し、正の遺産を実現して改革を進めろのくだりを読みながら「改革亡者」という言葉がふと浮かびました。
この竹中氏の提案を一つ一つ精緻に検証することは私の力に余るものですが、それでも読み進むに従って、この猛暑の最中、背筋に寒いものさえ感じてしまいます。
竹中氏は、農業をおもちゃにして国際市場に投げ出し、それでどれだけ儲かるかのゲームをしているのではないでしょうか。
要は、農地の処分を自由にできるようにしてもっと国際競争力をつけろ、と言っているみたいです。農業をビジネス化して若者を集めろ。農場経営の資金は農地から生まれる金融商品から調達できるぞ、とも。
いかにも机上の論理、というより、やっぱり農場経営ゲームです。
水資源の管理とか農地から金融商品を生み出せ、などとを言いだしたところには戦慄さえ覚えます。
日本の水や農地が金融商品化されて世界の金融市場で取引され、下手したら目の前の川や池が、畑が、たんぼが自分たちの自由にできなくなったりする? そんな世界を想定しているのかな、とモーソーが膨らみますが。
この方にはどこか傲慢さばかりを感じてしまいます。生命や自然や環境に対する畏敬の念がぜんぜん感じられません。
農作物の生産そのものさえ自然破壊であると収穫物をまず神さまにお供えした、あるいは山へ獲物をとりに行く人たちがまずお神酒を供えて収穫と安全を祈った、そんな私たちの先祖の感性を私は大事にしたい。
この方は一度、限られた予算で家庭の台所と家族の健康をあずかってみたらいい。
農業は効率だけではない、大規模化して安く国外へ売りたたかれるよりも、私たち国内の食卓を豊かにしたい、と思います。
悪夢のような竹中ワールドをきちんと反証したいですね。とりあえず今日はここまで。


