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政治家は「言葉の男/女」でないといけない

中学生がおばあちゃんの作った干し柿を土産に、国語がわからない、ルントウが分からない、といいながら国語の教科書を抱えてやって来ました。
 もうすぐ期末考査だとか。

 ルントウ? はて、何のことだろう?
 「読んでみて」と私。

 開けたページを見ると、魯迅でした。魯迅の『故郷』です。
 ルントウは、そこに登場する、作者にとってはヒーローのような少年でした。

 うわあ、今でも魯迅を読むのね、とちょっと懐かしさに感激を覚えながら、中学生が読む文章を、私は目で追います。
 冒頭部分は、故郷の情景とともに、魯迅の心の揺れが語られています。
 ふむふむ、と黙読をしている私の前で、漢字を読み間違えたり、読み方が分からなくなったりして、中学生はしばしば立ち往生。

 そのたびに私は読み方を教えるのですが、「寂寥」とか「刺叉」とかはやむおえないにしろ、「我が家」「説き明かし」「荷造り」等々の、けっして難しいとは思われない言葉も、現代の中学生にはちょっと縁が遠いのでしょうか、けっこう躓きます。

 魯迅がどのような人か、当時の中国はどんな社会だったか話しをしながら、作者の気持ちを想像して、と言って読み進めてもらったのですが、中学生は「御隠居」の「御」の字を「お」と読んだりします。
 そういえば、「ごいんきょ」という言葉も、もう死語に近いかもしれませんね。
 私の子ども時分も「ごいんきょ」と呼ばれる人は皆無でしたが、いつの間にか知ったのは、落語や水戸黄門のせいでしょうか。

 まあ、そんな具合に今日の朝は、今時の可愛い中学生を相手に、激動の時代に生きた魯迅の心を思いやるという経験をさせてもらいました。

 でも、これだけ漢字の読みが分からなかったら、小説でも新聞でも、とにかく文章を読む気にはならないなあ、と思ったのも正直なところ。
 読みが分からない因は言葉を知らないことが大きいでしょうから、日常生活でそうした言葉に出会うことがあまりないのかもしれない、

 等と、ああだこうだ考えていると、必然的に思い出されたのが、首相の頻繁な読み間違え。

 もちろん、国のリーダーにそんなことがあるのは教育上あまり良くありませんから、わざわざ私が声を大にして中学生に教えることもないだろうと、ひと言も言いませんでしたが。

 でも、それほどまでに読めなかったり言葉を知らなかったりしたら、当然、文章を読む気にはならないだろう、とつくづく思ったことでした。

 60年代初め、『ケネディ大統領演説集』がこの日本でも評判になり、どういうわけかこの本が我が家にもありました。Amazonを見ると、今でもあります。
(私はこの本で、「パックス・ロマーナ」という語といっしょに「パックス・アメリカーナ」という言葉を知りました)。

 政治家の演説が評判になるといえば、今はオバマさんですね。

 で、このおふたりに限らず、名演説が話題を呼ぶ政治家がときどき現れますが、残念ながら最近の日本政界で思い出せるものといったら、「人生いろいろ、会社員もいろいろ」を初めとした、かなり情けないレベルの言葉の放出状態。

 その昔、教養のドイツ語授業で、「彼は言葉と行動の男だ」という文章が出てきまして、それを先生は「約束を守り、実行する男」のことだ、と説明してくれました。
 この「言葉の男ein Mann des Wortes」という表現がやけに強烈に私の記憶に残り、今でもひょこっと思い出すことがあります。

 そう、政治家は「言葉の男/女」でないといけません。

 それも、口に出した約束を守るだけではいけない。

 言葉を大事にする人でなければいけない。

 それだけでは十分ではないけれど、必要なこと。
 いいかえれば、言葉を大事にすることは、政治家にとって十分条件ではないけれど必要条件だ、ということ。

“思索”、つまり“考えること”そのものが、自分たちのこの日本語を使って行われるのです。
 あまりに貧しい言語体験を思わせるような演説ぶりでは、考える内容さえ疑われてしまいます。

 
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